これは架空の夫婦を想定したサンプル試算です(実在の人物・契約とは関係ありません)

保険見直し・資産形成シミュレーション(架空の夫婦の試算例)

保険を否定するのではなく、死亡保障・医療保障・資産形成の役割を分けて、教育費が大きくなる時期の固定費と将来資産を数字で確認するための資料です。

現在の保険料 - 夫婦合算 / 為替150円固定
現在の解約返戻金 - 夫婦合算 / 為替150円固定
65歳時点の保険資産 - 夫婦合算 / 為替150円固定

まず結論

現在の保険には、死亡保障として家族を守る役割があります。ただし、資産形成として見ると、保険の中で貯めるよりも、必要保障は掛け捨てで確保し、解約返戻金と浮いた保険料をNISAの低コストインデックス投資へ回す方が、65歳時点の期待資産が大きくなる可能性があります。

大事なのは、解約して終わりにしないことです。解約前に代わりの死亡保障を確保し、浮いたお金を浪費せず積立投資に回す、という順番で進めるのが安全です。

読み取り上の注意

妻は44歳として計算しています。実際に検討する場合は、加入中の保険会社へ最新の解約返戻金を確認してください。

考え方

保険は保険万が一の大きな損失に備えるもの。
投資は投資長期で資産を増やす期待値を取りに行くもの。
混ぜると見えにくい貯蓄型・外貨建て保険は手数料や仕組みが分かりにくくなりやすい。
子どもがいる間は保障をゼロにしない必要な死亡保障は掛け捨てで安く確保する。
ドル建てリスクの考え方

ドル建て保険も、S&P500など米国資産への投資も、円で見ると為替の影響を受けます。その意味では「円高・円安の影響を受ける」という点は近いです。ただし、保険には保険会社の商品設計・手数料・途中解約・保障条件のリスクがあり、投資信託には株価変動・元本割れのリスクがあります。為替リスクは似ていても、商品としてのリスクは同じではありません。

現在の保険一覧

年間保険料

現在の解約返戻金

65歳まで保険を継続した場合

死亡保障・医療保障が続く安心はあります。一方で、教育費ピークの時期にも保険料の固定費が続きます。

今解約して投資へ変更した場合

死亡保障は、下の「必要保障額と掛け捨て保険料の目安」のおすすめ例(現在の保険と同水準:収入保障=夫婦とも月10万円/死亡一時金=夫 約1,000万円・妻 約2,000万円)をもとに、夫婦合算の掛け捨て保険料を月14,000円(年約17万円)として確保する想定です。現在の保険料は夫婦合算で月約43,650円のため、差額の月約29,650円を毎月定額でNISA等に積立投資する想定です。

投資先 実際の平均リターン目安 安全目での想定 この資料での扱い
オルカン(全世界株式) 約7〜9%/年 約5〜7%/年 この試算では年利5%を中心に確認
S&P500 約10〜11%/年 約5〜7%/年 期待値は高めだが、米国集中の値動きも確認
なぜオルカンとS&P500を選ぶのか

この2つを選ぶ理由は、大きく2つあります。

短期的には上下するが、長期では右肩上がりで成長してきた
オルカン(全世界株式)は世界中の企業約3,000社に、S&P500はアメリカを代表する企業約500社に、まとめて分散投資する仕組みです。1社や1つの国に賭けるのではなく「経済全体の成長」に乗るため、暴落や不況で一時的に大きく下がる年があっても、過去の長い歴史では時間をかけて値を戻し、最高値を更新しながら成長してきました。だからこそ、教育費ピークなどの「使う時期が近いお金」は別に確保したうえで、15〜20年以上の長期で持ち続けることが前提になります。

手数料(信託報酬)が最安水準
投資信託は持っている間ずっと手数料がかかり、これが長期では成績に大きく効きます。オルカンやS&P500の代表的なインデックスファンド(eMAXIS Slim 全世界株式・同 米国株式(S&P500) など)は、信託報酬が年0.1%前後と業界でも最安水準です。

一方で、今入っている貯蓄型・外貨建て保険は「保障」と「お金を貯める(投資)」が一体になった商品で、同じ「お金を増やす」目的で比べると手数料がかなり高くなります。下のように、コストの大きさと「見えやすさ」が大きく違います。

商品1年あたりの手数料(コスト)の目安コストの見え方
オルカン/S&P500のインデックスファンド約0.1%前後「信託報酬」として明確に開示されている
貯蓄型・外貨建て保険(今の保険)実質 年1〜3%程度(推定)保険料の中に含まれ、明示されない(付加保険料・運用経費・為替手数料・解約控除など)

※保険は手数料が「年〇%」という1つの数字で開示されないため、保険側は一般的な推定です。仮に同じ年5%で運用できたとしても、手数料が年0.1%の場合と年2%の場合では、20年後の資産に数百万円規模の差が出ます。これが「資産形成は手数料の安いインデックス投資、保障は掛け捨て」と役割を分ける大きな理由です。貯蓄型・外貨建て保険のように手数料や仕組みが見えにくい商品と違い、コストが低くて中身が分かりやすいことが、インデックス投資が長期の資産形成に向いている理由です。

リターンの見方

実際の平均リターンは過去の長期データを見た目安です。これからの21年間も同じになる保証はないため、この資料では安全目での想定として年利5%を中心に置き、オルカンは5%・7%、S&P500は5%・7%・10%で確認します。

利回り別の比較

必要保障額と掛け捨て保険料の目安

今回の見直しは、保険をゼロにする話ではありません。子どもが3人いて教育費がこれから大きくかかるため、死亡保障は必ず必要です。ただし、貯蓄型・外貨建て保険で資産形成まで行うのではなく、死亡保障は掛け捨てで安く確保し、資産形成はNISAなどの低コストインデックス投資に分ける、という考え方です。

そのため、現在の保険をすぐに全部解約するのではなく、まず必要な死亡保障を掛け捨て保険で確保することが先になります。ここでは、その掛け捨て保険料がどのくらいになりそうかの目安を確認します。

死亡保障は「2階建て」で考えると分かりやすいです。
1階:死亡一時金(まとまったお金)…葬儀・当面の生活立て直し・住宅や教育のまとまった支出に備える。定期保険(掛け捨て)で確保します。
2階:収入保障(毎月のお金)…遺族の毎月の生活費・教育費を補う。収入保障保険(掛け捨て)で確保します。
いまの保険にも、毎月受け取る収入保障に加えて、まとまった死亡保険金(夫:約1,000万円相当、妻:定期700万円+終身 約1,350万円相当)があります。掛け捨てに切り替えるときも、この一時金の部分を必ず確保します。

住宅ローンの団信(団体信用生命保険)について:このご家庭は、団信が夫の死亡時のみ有効です。
夫が亡くなった場合…団信で住宅ローンが完済されるため、残された家族に住居費(ローン返済)の負担は残りません。そのため夫の死亡一時金に住宅ローン分を上乗せする必要はなく、葬儀・当面の備え中心で十分です。
妻が亡くなった場合…団信がないため住宅ローンは残りますが、夫が引き続き収入で返済できます。妻の死亡一時金でローン残債をすべて用意する必要はなく、家事・育児を補う費用や当面の備えが中心になります。

計算の前提
  • 夫:44歳 / 妻:45歳
  • 共働き
  • 子ども3人(長男が大学進学時期)
  • 現預金など:約400万円
  • 住宅ローンに団信あり(夫の死亡時のみローン完済。妻の死亡時は団信なし)
  • 年収・遺族年金の詳細は未反映のため概算

必要保障額の目安(死亡一時金+収入保障)

対象死亡一時金の目安収入保障の目安保険期間主な目的
約1,000万円月10万円収入保障 60歳まで現在の保険と同水準(収入保障 月10万円+終身 約1,050万円相当)。団信でローンは完済されるため住宅分は不要
約2,000万円月10万円収入保障 60歳まで現在の保険と同水準(収入保障 月10万円+定期700万円+終身 約1,350万円相当)。団信なしだがローンは夫の収入で継続

※死亡一時金は、現在の死亡保険金(夫 約1,000万円相当・妻 約2,000万円相当)に近い水準に合わせています。団信が夫の死亡時のみ有効のため、夫の一時金は住宅ローン分を含まず控えめでも安心できる側です。

掛け捨て保険料の概算①:収入保障保険(毎月のお金 / FWD収入保障など)

契約月額保障月保険料の目安
月10万円約2,000〜3,000円
月15万円約3,000〜4,500円
月5万円約1,000〜2,000円
月10万円約2,000〜3,000円

掛け捨て保険料の概算②:定期保険(死亡一時金 / FWD定期など)

契約死亡保険金月保険料の目安
1,000万円約2,500〜4,000円
2,000万円約5,000〜8,000円
1,000万円約2,000〜3,500円
2,000万円約4,000〜7,000円
おすすめ例(現在の保険と同水準 / 2階建て)
  • 夫:死亡一時金 約1,000万円 + 収入保障 月10万円
  • 妻:死亡一時金 約2,000万円 + 収入保障 月10万円
  • 収入保障の保険料:約4,000〜6,000円/月
  • 死亡一時金(定期)の保険料:約6,500〜11,000円/月
  • 夫婦合計の掛け捨て保険料:約10,500〜17,000円/月(年 約13万〜20万円)

現在の保険料との比較

必ず確認する注意点
  • 実際の保険料は健康状態・喫煙状況・保険会社・保障額で変わります。
  • FWDの収入保障・定期保険は一例です。他社も必ず比較してください。
  • 死亡保障は「収入保障(毎月)」と「死亡一時金(まとまったお金)」の両方を確保してください。どちらか一方だけだと保障が不足します。
  • 死亡一時金の必要額は、住宅ローンの残高や団信の有無、まとまった教育費で大きく変わります(このご家庭は団信が夫の死亡時のみ有効)。
  • 解約前に、必ず掛け捨て保険へ加入できることを確認してください。
  • 新しい保障が成立する前に、現在の保険を解約しないでください。
  • 必要保障額は、年収・住宅ローン・遺族年金・教育費で変わります。

65歳時点の差額

教育費ピークを考慮した注意点

必ず確認する注意点

見直しの実行ステップ(例)

  1. まず最新の解約返戻金を加入中の保険会社に確認
  2. 夫婦それぞれ必要保障額を計算
  3. 掛け捨て収入保障保険・定期保険の見積もりを取る
  4. 健康状態に問題なく加入できることを確認
  5. 加入完了後に不要な貯蓄型保険を解約
  6. 解約返戻金を生活防衛資金・教育費・NISA投資に分ける
  7. 毎月の浮いた保険料をNISAで積立
  8. 年1回、家計と保険を見直す